社長ブログ

英国のEU(欧州連合)離脱(ブレグジット)

  • 2019/02/26

富士産業有限会社 下代 勝 レポート。

「メイ首相苦境」と、イギリス政権が抱える内外の軋轢(あつれき)のニュースは、良く見聞きしますが、「本当のところどうなの?」と思っていました。

新聞に♪よいしょ♪する訳ではないのですが、日本経済新聞2019年2月7日(水)の<真相深層>というコーナーに「EU離脱で開いたパンドラの箱」(ロンドン=中島裕介)という記事があり、「おお!!正しく真相だ」(やはり、よいしょぎみ?)と思ったので、自分の理解を付け足してご紹介。

 「英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、アイルランド島の国境問題で堂々巡りの議論が続いている。」

この「堂々巡り」で、ニュースがややこしくなっているわけですね。

 1801年、イギリスがアイルランドを併合した時点では、イギリス政権から見れば、添付写真Aの状況。アイルランド島とイギリスとの間には、「海」という物理的な障壁があるだけ。

もちろん、アイルランド側はそうは思ってなかったでしょうし、プロテスタント系の多いイギリスとカトリック系の多いアイルランドという宗教対立もあった。

そういう意味では、添付写真Aの状況はかなり怪しかった。

 「戦争を経て1937年に独立、49年に英連邦も離脱。この過程で(イギリス本土から移って来た人が大半の)プロテスタント系が多かった北部は英領の北アイルランドとなり、島に国境ができた。(カッコ内、下代加筆)」。添付写真Cの状況。

 1998年の英アイルランド間の和平とEUによる国境の開放により平和を保ってきた。」

「アイルランド島にある英領北アイルランドとアイルランドの国境は、島国の英国にとって唯一の地続きの国境だ。」けれども、両国ともEU(欧州連合)の加盟国として、国境が実質なくなっているので、それを点線で表示したのが添付写真Bの状況。

 ここで、英国がEUから離脱すれば、本来は英領北アイルランドとアイルランドとの間に国境が復活して、添付写真Cの状況になるはず。

 しかし、アイルランド島では「EUの下でヒト・モノ・カネの自由な移動が進み平和を謳歌した。それだけに国境の復活は南北分断の象徴とみられ、アイルランドの民族主義を刺激し、紛争再燃のリスクを高めかねない。」

 EUが、離脱するイギリスと一員であるアイルランドのどちらの主張を優先するかは、火を見るより明らか。

「『物理的な国境をつくらないと約束する』。メイ英首相は5日、北アイルランドでの演説で従来の主張を繰り返した。」のは、そんな文脈からのご発言。

「北アイルランドに限って食品などの規制をEUのルールにあわせる」という暫定策の話まであったりする。状況としては添付写真Dに近づく感じ。

 「また北アイルランドだけEUルールが色濃く残る点に、プロテスタント系のアイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)は、『英国が一体ではなくなる』と批判する。」

 イギリス本土にしても、英領北アイルランドを手放すような添付写真Dの状況は考えられないし、北アイルランドのプロテスタント系住民の多くは元々イギリス本土から移って来たので、北アイルランドがアイルランドと引っ付いて、アイルランド島で少数派となる選択肢も断固拒否のはず。

 議論が堂々巡りするのは当たり前。

 最近のアイルランドでの旅行体験記などをチェックすると、若い人達の間では、宗教への考え方も変わって来たし、元々どこから移って来たのかも、世代交代で意識されなくなってきたとも読めます。まあ、そちらの真相は未だ不明。

今回は新聞記事のご紹介という事で。記事を切って、並べ変えて、主観を付け足して…。中島裕介様、すみませんでした~。

 参考文献;世界歴史大系   アイルランド史 山川出版社