ブログ

新型コロナウイルス感染症と病床の逼迫

  • 2021/04/21

富士産業有限会社、下代勝レポート。

 

「コロナ禍では、病院がコロナ患者を受け入れきれず、入院待機者が膨れ上がった。その余波でがんなど本来の患者の入院診療も手いっぱいになる事態も招きました。」(読売新聞2021年4月11日、元厚生労働省事務次官、辻哲夫氏)

 

新型コロナウイルス感染症の第〇波と報道される度に、病床の逼迫が問題になります。

 

情報が、正否の判断も出来ぬまま錯綜しています。

ここでは情報の出所を呈示しながら、問題提起及び提案を二点用意しました。議論の叩き台になれば幸いです。

 

《提案その1;仮設病棟・病床の建設》

「医療逼迫を避けるためには、病院間の連携体制を確立して、緊急時に一般病床を速やかに転換できるような体制にしておくこと。」

(読売新聞2021年4月11日、元厚生労働省事務次官、辻哲夫氏)

 

将来的には、辻哲夫氏が指摘されたように、病院間の連携体制の確立が大切なのだとは思います。とは言え、

「日本は民間病院が主体で、他の先進国と比べて公立病院の比率が最も低い国の一つだ。そのため緊急時に政府のコントロールが及びにくい。」(日本経済新聞2021年4月11日、立憲民主党、元厚生労働相、長妻照氏)

 

という状況下。しかも

「風評被害を懸念して受け入れに二の足を踏む中小の民間病院も多い」(読売新聞2021年4月19日、日本医師会常任理事、城守国斗氏)

 

というのが現実。地域住民に暴言を吐かれながらも、

「感染が怖いのはわかるが、診療所に来るのは他の医院で診察を断られて困っている患者ばかり。理解してほしい」(読売新聞2021年4月19日、長尾クリック院長、長尾和宏氏)

 

と、一部の民間病院・クリックに対策不備のしわ寄せが。

 

「3月29日時点で、感染者や医療従事者らへの差別禁止などコロナ関連で制定された条例は全国で57に上る。」(読売新聞2021年4月19日)

 

罰則強化で暴言は表に出なくなったとしても、

「医療機関では、感染が怖いとの理由で『定期通院患者が来院しなくなった』などの事例があった」(同上)等の事態の改善には程遠いのでは。

 

素人的には、なぜ仮設病棟・病床の建設を各地域でどんどん進めないのだろうと思います。

一般病床を速やかに感染症用に転換し、第〇波が収まれば、また一般病床に戻すというやり方では、風評被害の問題は解決されません。

同じ敷地内で一般病床と感染症用病床を分けるというのも、非効率な気がします。

 

仮設病棟・病床を建設して備える。

感染症が収束すれば派遣されていた医療従事者は元の職場に戻る。

仮設病棟・病床は、使われないときは警備だけして管理する。

こんなイメージを持ちます。

 

今すべき事は、速やかに仮設病棟・病床の土地を選定して建設に取り掛かる事ではないでしょうか。

 

《提案その2;交代制で医療従事者を派遣する》

仮設病棟・病床を想定していますが、今すぐこれをすべき医療施設もあると思います。

 

一年を三分割して、一回4ヶ月の期間を区切り、医療従事者に対して派遣に応じて頂けるようお願いするというイメージです。

 

理由は二つ。一つは、新型コロナウイルス感染症に対する過度なストレスから医療従事者を守っていかなければ、医療の継続性は保てません。

もう一つは、人はお金の為だけに働いている訳ではありません。感染症が収束した時期、波と波の間に何も出来ずに待つという状況を想像すれば、3~4ヶ月が限度だと思います。

 

国内初の「新型コロナウイルス感染症専門病院」となった大阪市立十三市民病院についての本に、医療に従事される方々の気持ちを感じましたので、御紹介。

 

「COVID‐19患者は減少し、当院の入院患者も2~3人といった状況でした。一般の診療を休止していたので、医師も看護師もあまりすることがなく、モチベーションが低下し、仕事をする目標が消えかかっていました。医療従事者として、自分たちの得意とする診療、看護を行いたいのです。何か手を打たなければと、一般診療を再開することにしました。」(新型コロナウイルス感染症もっと対応BOOK、大阪市立十三市民病院病院長、西口幸雄氏)

 

「患者さんの看護がしたい!」「看護師として働く者の本質であり、心の声だったと思います」(同上、大阪市立十三市民病院看護部長、森坂佳代子氏)

 

新型コロナウイルス感染症への医療行為の激務もストレスですが、感染症の波の狭間で自分の能力が生かされない事もストレスです。

期間を決めて派遣体制を作るべきだと思います。

 

4ヶ月で元の職場に戻るという条件でお願いした方が、送り出す医療機関、派遣に応じて医療に従事する方々にとっても一歩踏み出し易い内容のはず。

 

今すべき事は、速やかに条件を定めて派遣に応じて貰える医療従事者を募集する事ではないでしょうか。

 

「知事会も医師会も政府の分科会もいまの病床数を変えない前提に動いている」(日本経済新聞2021年4月11日、慶應義塾大学名誉教授、元経済財政相、竹中平蔵氏)

 

との事ですが、全国知事会や日本医師会、各種医療団体、政府の分科会、 自治体等の力関係は、自分の今の知識では手に余るので、今回は上記二つの提案に止めます。

 

事態が改善されていく事を願って止みません。