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最適化問題と意思決定の透明性、その2

  • 2020/03/30

富士産業有限会社、下代勝レポート。

 

第三の問題がすぐそこまで来ている、と考える根拠は以下の3つという事でした。

1.組み合わせ最適化問題の応用範囲の広さ。

2.計算結果検証の難しさ。

3.要求される対応速度の速さ。

 

今回は、2、についてお話します。

 

2)計算結果検証の難しさについて。

具体例として有名なのが、セールスマンが複数の目的地を回る際の最短経路を求める「巡回セールスマン問題」(日経新聞同日記事から)。

目的地が5ヶ所ならば経路は12通り。 10ヶ所だと約18万通り。20ヶ所では約6京通り。こうなると、スパコンでも計算に相当な年数がかかるらしい。

 

セールスマンが1日に20ヶ所巡回する事は珍しくない。それでも、そのルートの組み合わせは、とても人が一つ一つ検証して計算結果が正しいかどうかを判断出来る量ではありません。

 

医師の巡回や、レスキュー隊の駆付け経路等でも、厳密には同様の問題が生じるはずです。

 

この状況下で、最近よく話題になる「意思決定の透明性」を確保する事は、今の感覚ではあり得ない(コンセンサスが得られない)と考えます。

 

日経新聞の具体例に沿ってお話すると、20ヶ所を巡回したセールスマンが、上司から「効率よく廻ったか(最短経路で廻ったか)?」と聞かれても、コンピューターで検索した通りに廻ったセールスマンは、説明責任を果たす事が出来ません。

無理に、透明性のある意思決定と、その結果に対する説明責任を果たそうとすると、透明性には計算結果の検証は問わない(検証せずに従うブラックボックスの存在を認める)等の新感覚(新たなコンセンサスの形成)で臨まざるを得ないと思います。

 

つづく