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最適化問題と意思決定の透明性、その1

  • 2020/03/23

富士産業有限会社、下代勝レポート。

 

すみません。以下のレポートは、現役の理系大学生向けの内容になっています。

内容に専門用語や特殊な固有名詞等が出て来ますが、お許し下さい。

と言うのも、今年の自分の個人的年賀状の内容に対して、知人(年賀状の送り先)の息子さんやそのお友達が白熱した議論をしたと、その知人から書簡を貰いました。

「学生が熱く語る姿を見て少し安堵した。」との事。また、その議論から「幾つかの質問が生じた。」との事でした。

その為、学生の方々の心意気に答えるべく、最先端と思われる情報を取り込んで、学生さんの質問に答えたいと思い、レポートしました。その内容を要約してご報告。

今、世界は新型コロナウイルスの影響で大変な事になっています。未知の困難に対して、的確に準備・対処出来る社会を目指して、学生さんの未来予測の議論に少しでも貢献出来ればと思います。

加えて、今年の年賀状の内容が分かりにくかった、前回のブログの内容が読み辛かった、という御指摘にも御答え出来る内容になれば幸いです。

それでは始めます。

 

まず、今年の年賀状の文章は以下の通りです。

〈AI(人工知能)の第三の問題〉

・第一の問題:AIの暴走は「ターミネーター」を見て考えたいと思います。

・第二の問題 :AIの悪用やAI兵器については、「AI利用に関する倫理」の中で。 

・第三の問題:量子コンピューターによる最適化の計算に基づくAIの決定に従うか否か。この選択を社会が積極的に決めていかなければならない日がすぐそこまで来ていると感じます。

 

 

学生さんの質問内容は多岐に渡りますが、その中で重要と思われる質問は、「AIの第三の問題がすぐそこまで来ている、と考える根拠は? 」というものでした。

 

量子コンピューターの実証実験を自分でするわけにはいきませんので、何か拠りどころとなる良い記事は無いものかと探していました。

ちょうど、日本経済新聞2020年3月13日(金)の31面に、「量子計算、疑似的に実行 技術次々」「最適な組み合わせ素早く」という記事がありました。その記事の実証実験結果等を引用して話を進めます。

 

第三の問題がすぐそこまで来ている、と考える根拠は3つ。

1.組み合わせ最適化問題の応用範囲の広さ

2.計算結果検証の難しさ

3.要求される対応速度の速さ

 

1)応用範囲の広さについて

年賀状を書いた頃は、量子コンピューターについて、グーグルなどが開発しようとしている、万能型の「量子ゲート」方式が本筋、という雰囲気が一部にあると感じていました。

カナダのDウェーブ・システムズが実用化した「量子アニーリング」方式は、組み合わせ最適化問題のみを対象とする究極の特化型で、大した価値は生まないという雰囲気です。

その雰囲気に警鐘を鳴らしたかった。

組み合わせ最適化問題の応用範囲は極めて広く、実社会に対するインパクトは絶大だと予想しています。

日経新聞3月13日の記事にも、具体例として、物流ルートの探索や渋滞の緩和、工場の生産工程、新薬の候補物質となる分子の構造、株取引の銘柄の構成などがあげられています。その他いくらでも例示が出来ると思います。

 

つづく